eto_uma (14)


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名無しの歴史部員 ID: ID:W0H

本拠地、東京都千代田区千代田1ー1で迎えた世界大戦
先発した戦艦大和が爆発炎上、陸軍も勢いを見せず惨敗だった
日本全土に響く失望のため息、どこからか聞こえる「日本もおわりだな」の声
無言で帰り始める重臣達の中、大日本帝国大元帥は独り部屋で泣いていた。
即位以来手にした栄冠、喜び、感動、そして何より信頼できる臣下・・・
それを今の大日本帝国で得ることは殆ど不可能と言ってよかった
「どうすりゃいいんだ・・・」大元帥は悔し涙を流し続けた
どれくらい経ったろうか、大元帥ははっと目覚めた
どうやら泣き疲れて眠ってしまったようだ、冷たい畳の感覚が現実に引き戻した
「やれやれ、帰って玉音放送の原稿を完成させなくては」大元帥は苦笑しながら呟いた
立ち上がって伸びをした時、大元帥はふと気付いた

「あれ・・・?国民がいる・・・?」
部屋から飛び出した大元帥が目にしたのは、皇居前を埋めつくさんばかりの民衆だった
千切れそうなほどに国旗が振られ、地鳴りのように紀元二千六百年頌歌が響いていた
どういうことか分からずに呆然とする大元帥の背中に、聞き覚えのある声が聞こえてきた
「陛下、真珠湾だ、早く奇襲するぞ」声の方に振り返った大元帥は目を疑った
「や・・・山本元帥?」  「なんだ陛下、居眠りでもしてたのか?」
「あ・・・阿南?」  「なんだ陛下、かってに山本さんを死後昇進させやがって」
「東條・・・」  大元帥は半分パニックになりながらスコアボードを見上げた
1番:山本五十六 2番:木戸幸一 3番:白川義則 4番:鈴木貫太郎 5番:岡田啓介 6番:内川聖一 7番:阿南惟幾 8番:東條英機 9番:東郷茂徳
暫時、唖然としていた大元帥だったが、全てを理解した時、これから起こる悲劇、この国に降りかかる災厄を思わずにはいられなかった。
「勝てる・・・わけないんだよなあ・・・」
侍従から開戦の詔勅を受け取り、議会の演壇へ全力疾走する大元帥その目に光る涙は悔しさとは無縁のものではなかった・・・

戦後、硫黄島の遺骨調査で白骨化した内川が発見され、吉村と村田は病院内で静かに息を引き取った




 

2名無しの歴史部員 ID: ID:BSR

ワイは評価する




3名無しの歴史部員 ID: ID:9Rk

どんなに死亡から時間たっても内川のアゴの骨だけは残りそう




4名無しの歴史部員 ID: ID:gdS

長々とご苦労さん




5名無しの歴史部員 ID: ID:efX

主戦場は東京都千代田区かな?




6名無しの歴史部員 ID: ID:DYO

すこ




引用元:大日本帝国大元帥「どうすりゃいいんだ…」