1:名無しの歴史部員 2020/04/09(木)18:48:13.43 ID: PxTaB4pA0.net
一人につき一首縛りやで
みうの糞雑魚蛞蝓な対訳と説明を添えたので、
興味を持たれた方はぜひ原文で源氏物語の妙を味わっちくり〜
1 心あてにそれかとぞ見る白露の光添へたる夕顔の花
2 水鳥の青羽は色も変はらぬを萩の下こそ景色ことなれ
3 大空を通ふ幻夢にだに見え来ぬ魂の行方尋ねよ
4 限りとて別るる道の悲しきにいかまほしきは命なりけり
5 雲の上も涙に暮るる秋の月いかですむらん浅茅生の宿
6 老いの波かひある浦に立ちいでてしほたるるあまを誰か咎めん
7 しほたるるあまを波路のしるべにて尋ねも見ばや浜の苫屋を
8 世を捨てて明石の浦に住む人も心の闇は晴るけしもせじ
9 はかなくてうはの空にぞ消えぬべき風に漂ふ春の淡雪
2:名無しの歴史部員 2020/04/09(木)18:48:27.32 ID: PxTaB4pA0.net
当て推量ではございますが、それとお見受けいたしますわ。
みすぼらしい家の垣根に咲く夕顔の花が、
白露のように清らかで美しい光を添えられて、
光り輝いて立派な花のように見えるのですから。
このような事が起こるのですもの、
さては貴男様は、当代きっての貴公子と名高い源氏の君ではございませんこと?
源氏の父方の従兄で好敵手の頭中将の昔の彼女で、
頭中将の正妻からモラハラを受け
京の下町の乳母の家に身を寄せていた夕顔という女性が、
乳母の見舞いにそこを訪れた源氏を見かけて、
「あら源氏の君だわ素敵!せっかくだから誘ってみましょ!」と詠んだ歌や
夕顔は、両親とは早くに死別したが、
三位中将だった父とその北の方だった母の娘なので出自は悪くなく、
高貴な女性としてきちんとした教育も受けていて、
この歌はそんな彼女の知性とセンスとユーモア、
そして妖艶さと色っぽさをも感じさせる秀歌や
ちなみにこの歌の元ネタ(本歌)は、ご存じ正岡子規にくそみそにけなされた
躬恒の「心あてに折らばや折らむ(ry」や
さりげなく古歌を引用し自分なりの個性も添える夕顔、
夕顔以外の女性とも付き合った源氏が彼女の事をずっと忘れられなかったのもむべなるかな
3:名無しの歴史部員 2020/04/09(木)18:48:42.39 ID: PxTaB4pA0.net
(一生伴侶を変えず、夫は妻に、妻は夫に尽くす真心を持っていると伝えられている)
おしどりの青い羽の色は変わらないといいますのに
(おしどりは心変わりをしないといいますのに)、
萩(のように若々しくみずみずしい)新妻を得た貴男様は、
様子が違っているようにお見受けいたしますわ。(貴男様はわたくしではなく女三宮さまに心変わりなさってしまわれたのですわ)
40を過ぎて14歳の幼妻である女三宮を正室に迎え、
最初こそ身分以外は幼稚で女としての魅力に不足している彼女に失望するものの、
次第にそんな彼女にのめりこんでゆく源氏の心変わりを、
彼の最愛の妻であった紫の上が嘆いて詠む歌や
んにゃぴ……
訳を添える必要はないほどストレートに夫の心代わりを優美に描いた
紫の上が詠んだ和歌の中でも特に秀逸な歌なのに、
(みうの糞雑魚蛞蝓な語彙力ではそれを表現でき)ないです
ああもどかしい……ああやだもどかしい……!
4:名無しの歴史部員 2020/04/09(木)18:48:56.52 ID: PxTaB4pA0.net
大空を自由に飛び回る魔術師よ、夢にすら現れてくれぬ
我が最愛の亡き人の魂の行方を訪ねておくれ、
(そうして彼女の居場所が分かったならば、その時は私に教えておくれ)
その紫の上を亡くした源氏が、
彼女こそ自分にとって正しい伴侶であった事を嘆き、
夢にすら出てこない彼女の面影を求めて歌う歌や
この歌にこれ以上の説明なんていらないじゃんアゼルバイジャン……
5:名無しの歴史部員 2020/04/09(木)18:49:10.52 ID: PxTaB4pA0.net
これを最後として、貴男様と別れてゆく死出の道が悲しいばかりに、
わたくしが行きたいのは、その死出の道ではなく、
貴男様と共に生きる命の道、生の道でありますことよ。
作中で、宮中の「音楽家として優れた能力を発揮し、
またそのような場で詠む歌も並大抵の出来ではなかった」と讃えられる
桐壺更衣(若くして亡くなった源氏の母)が、
源氏物語の作中で唯一詠んだ和歌がこれや
みうがこの和歌を4番に持ってきた理由は説明せずとも分かるだルルォ?
源氏物語で最初に登場する和歌がこれなんやが、
これを一番最初に持ってくる紫式部のセンスを感じますよ〜感じる感じる
7:名無しの歴史部員 2020/04/09(木)18:49:39.23 ID: PxTaB4pA0.net
宮中(最愛の妃である更衣を失った私)も涙にかき暮れ、
美しい中秋の名月も霞んで見えぬのだ。
まして主を失い雑草の生い茂る更衣の実家は、
どうして(涙に覆われているのに)月が澄んで見えることがあろうか。
彼らはどんなにか寂しく過ごしている事だろうか。
大事に育ててきた一人娘の桐壺更衣を亡くし、
涙の日々を送る彼女の母北の方(貴族の正妻)の境遇を思いやって
桐壺帝(源氏の父)が詠んだ歌がこれや
宮中も悲しんでいる、だが自分よりもっと悲しんでいる人がいる、
自分が悲しい時にも他者の事を思いやれる桐壺帝、
元はといえば彼が桐壺更衣を偏愛しなければこんな悲劇は起きんかったんやが、
そういう些事はどうでもよくなるほど、
帝の人としての魅力が現れているンゴねえ……
みうもこういう伴侶と愛し愛される人生を送りたかったなあ俺もなあ……(届かぬ想い)
8:名無しの歴史部員 2020/04/09(木)18:49:55.09 ID: PxTaB4pA0.net
老いの波が打ち寄せて年を取ってはおりますけれど、
今やその苦労も報われた事ですよ。
そんな波の打ち寄せる浜辺に出て行って、
喜びに咽び泣く海女(尼)であるわたくしを、誰が咎められましょうか。
政争に敗れ一時明石に身を寄せていた源氏が、
そこで出会った受領の娘ながら都の貴婦人におさおさ劣らぬ素晴らしい女性である
明石の上と恋に落ち、彼女との間にもうけた娘が皇太子妃となり、
世継ぎである男児を産んだ後、
明石の上の母である尼君が喜びのあまり歌う歌や
源氏物語を貫くテーマは人生の悲哀なんで悲しみを歌ったネガティヴな歌が多いんで、
このように素直に喜びを歌ったポジティヴな歌は、
彼女の歌と源典侍くらいしかないんで、そういう意味でも貴重な歌や
9:名無しの歴史部員 2020/04/09(木)18:50:10.07 ID: Je0BO0d6d.net
10:名無しの歴史部員 2020/04/09(木)18:50:23.86 ID: PxTaB4pA0.net
涙にぬれる海女(尼)を道しるべに、訪ねて見たいものですわ。
わたくしが生まれたという浜辺の粗末な家を。
源氏と明石の上の間に一人娘として生まれながら、
母の身分の低さゆえに源氏と紫の上の娘として大事に育てられ、
皇太子妃となり世継ぎの皇子を産んだ明石女御が、
祖母から自分の出自を教えられた時に詠んだ歌や
それまでは源氏の一人娘としてややわがままに育った彼女やが、
自分の栄光は養母や生母や実の祖母の哀しみの上に築かれたものであることを悟り、
自分の生まれ故郷への思いを馳せる歌や
おっぱい(祖母への敬愛の念)感じちゃう!
11:名無しの歴史部員 2020/04/09(木)18:50:38.37 ID: PxTaB4pA0.net
現世を捨てて出家なさり、明石の浜辺に住んでいるわたくしの父上も、
(わたくしたちの故に思い悩む)心の闇はそのために晴れる事はないでしょう。
明石尼君の娘で、明石女御の生母である明石の上が、
自分たちは女御のために苦労が報われ栄光に包まれているが、
自分たちを置いて明石にとどまった明石入道(尼君の夫で明石の上の父)を思いやって歌う歌や
源氏物語は両親と死別した人物の方が多いので、
こういう子が親を思う心を詠んだ和歌は貴重や
明石の上の優しさを感じますよ〜感じる感じる
12:名無しの歴史部員 2020/04/09(木)18:50:39.93 ID: uhNrp4Pk0.net
15:名無しの歴史部員 2020/04/09(Thu)18:50:55 ID: PxTaB4pA0.net
頼りなくて中空に消えてしまいそうです、風に漂う春の淡雪のように。
秀逸な和歌の中にあって何故これが9番?と思われるかも知れんが、
まあ聞いちくり〜
明石一族の和歌が秀逸なのを引き立てるように、
わざと稚拙に作られ、それらと共に並べられている女三宮の和歌や
作中で紫式部が言っているように、
成人した貴族の女性が詠む和歌としては見られたものではないが、
女三宮の稚拙さを引き立て、またこののち起こる悲劇
(源氏の正室となった女三宮に横恋慕した源氏の従兄の息子が女三宮をレイプし、
子供を産ませる。黙っていれば露見しなかったのに、
うっかりさんの女三宮のミスで源氏に事が露見する。
源氏は女三宮と間男にモラハラし、間男は悶死、女三宮は出家する
要はNTRRからの家庭崩壊)
をも予感させるという点で、打線に入れてみたやで〜
16:名無しの歴史部員 2020/04/09(Thu)18:51:14 ID: PxTaB4pA0.net
皆も打線組んだり源氏を読んでみちくり〜
17:名無しの歴史部員 2020/04/09(Thu)18:51:22 ID: Zq8mRD5da.net
19:名無しの歴史部員 2020/04/09(Thu)18:51:29 ID: 6EeTvjN40.net
深夜に立ててクレスケンス
引用元:源氏物語に登場する秀逸な和歌で打線組んだ
sukenokiv
がしました