ヒトラー-600x430


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名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:28:26 ID: ID:rGE

【1944年8月25日 パリ】

部下「閣下、作戦準備完了しました」

彡(゚)(゚)「そ、そうか ほな指示があるまで待機しとってくれや」




 

2名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:29:11 ID: ID:rGE

部下「では失礼します」 タチサリー

彡(゚)(゚)「…」

彡(゚)(゚)「総統直々の命令 既に作戦決行の準備は出来とる」




4名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:29:36 ID: ID:pMy

おう早くパリもやすんやで




5名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:29:43 ID: ID:rGE

彡(-)(-)「軍人にとって命令服従は絶対 拒否する事なんて考えられへん ワイは正しい行いをしようとしているはずや」

彡()()「ワイは…ワイは…」

彡(。)(;)「」




6名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:30:15 ID: ID:rGE

【1914年 ザクセン】
彡(゚)(゚)「ウチは軍人の家系やし、ワイも幼年学校卒業して軍に入るやでー 世界史に名を残す名将にワイはなる!」

彡()()「少尉に任官したけど第一次大戦で祖国ドイツはぼろ負けしたンゴ…なんてことだ…なんてことだ…」




7名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:31:06 ID: ID:rGE

彡(^)(^)「軍人は大リストラ喰らったけど、ワイはなんとか国軍に残れてニートにならずに済んだンゴ ワイの立身伝第二章のスタートや!」

彡(゚)(゚)「1937年には少佐に昇進して歩兵大隊長に任命されたで 国際情勢もキナ臭くなって来とるし、戦場で活躍してもっと上を目指すで」

彡(゚)(゚)「…それにしてもワイの師団は空挺作戦の訓練ばっかりしとるなー いつの間にか空輸師団なんて名づけられとるやんけ」




8名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:32:23 ID: ID:rGE

【1940年】
彡(゚)(゚)「いよいよ第二次大戦の開幕や! ワイの部隊にはオランダ侵攻作戦で輸送機での強攻着陸命令が出たで」

彡(゚)(゚)「空挺作戦の猛訓練を積んだ成果を見せたるンゴ。ロッテルダムに突撃や!」




9名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:32:57 ID: ID:rGE

彡(^)(^)「4日にわたる激戦やったけど、なんとか停戦交渉にまで持ち込めたで それにしてもオランダの大都市だけあって風美な街やなぁ…ん?」

ドイツ爆撃機「爆弾はポイーで 交渉中?関係ねぇんだよそんなもん」




11名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:33:41 ID: ID:rGE

彡(゚)(゚)「えっちょっと、交渉中の相手になにしとんねん!停戦成立の信号弾がみえへんのか!?」

オランダ国民「お!死ぬゥーんだ!」




13名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:34:30 ID: ID:rGE

彡(゚)(゚)「死者800人、被災者8万人 おまけにロッテルダムは灰塵や」

彡(;)(;)「いくら戦争と言っても無力な一般市民と歴史ある街並みの犠牲はやり切れないンゴ こんな事は繰り返しちゃいけないんやなって」




14名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:35:29 ID: ID:rGE

【1943年】
彡(゚)(゚)「月日は流れ、東部戦線でソビエト相手にしてたらいつの間にか中将や 戦車部隊の扱いも上手くなったもんやで(自画自賛)」

彡(゚)(゚)「そして東部戦線での死闘はワイの中に存在した軍人としての甘さも捨てさせたンゴ」




15名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:35:49 ID: ID:rGE

彡(゚)(゚)「退却する前にはソ連の村々を焼き払うんや! どうせ奪還されるんなら使い物にならなくしたれ! これは総統の命令や!」

彡()()「(そう、これは戦争なんや 勝つためには非道に徹しなければならない時もあるんや)」




16名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:36:58 ID: ID:rGE

【1944年】
彡(゚)(゚)「えっ、ワイが大将に昇進して大パリ司令官になるんですか?」

彡(゚)(゚)「やっぱり忠実に命令に従ってた事が評価につながったんやな 軍人は忠誠心が大事だってはっきりわかんだね」




17名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:37:20 ID: ID:rGE

彡(゚)(゚)「…とはいうものの、既に我がドイツ軍は連合軍にフランス上陸を許し連戦連敗」 

彡(゚)(゚)「いずれこのパリも戦場となってしまうんやろか…ん?総統からメールや」




18名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:38:24 ID: ID:rGE

伍長【大パリ司令官へ 

   今日もお仕事お疲れ様(>ω<)ノ パリの事なんだけどレジスタンスがいっぱいで大変なんだねΣ(・ω・;ショック…

   万が一パリが敵に取られちゃいそうになったら、レジスタンスと一緒に街並みをふっ飛ばしちゃってね☆

   必要な爆薬や砲兵は直ぐに送ります お仕事頑張ってね

   あなたの総統より(はぁと】




19名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:39:06 ID: ID:rGE

彡(゚)(゚)「!? パ、パリを、パリを廃墟にせいと総統は仰るんか!あのロッテルダムやソ連の村々と同じように、このパリを…」

彡(゚)(゚)「凱旋門…リュクサンブール宮殿…エッフェル塔…廃兵院…ノートルダム大聖堂…それらすべてを灰塵に…」




20名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:39:49 ID: ID:rGE

彡(゚)(゚)「」

彡(゚)(゚)「………軍人にとって」

彡(●)(●) 「軍人にとって最優先事項は命令や パリ破壊の準備を進めるんや!」




22名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:40:34 ID: ID:rGE

彡(゚)(゚)「ワイは軍人や…軍人は命令に従う事が絶対なんや…(ブツブツ」

部下「閣下 お客様がお見えです」

彡(゚)(゚)「ん、客か…よし、会うから通してクレメンス」




23名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:41:19 ID: ID:rGE

(´・ω・)「やぁ閣下 突然すまないね」

彡(゚)(゚)「おお、パリ市長のテタンジェやないか 政策の事で何か話でもあるんか?」

(´・ω・)「まあね ここじゃ何だから場所を移そうか」




24名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:42:12 ID: ID:rGE

【ドイツ司令部バルコニー】
彡(^)(^)「ええ眺めやなー 廃兵院、ルーブル、コンコルド広場が一望できるで」

(´・ω・)「そうだろう 僕らパリに住む人間が必死で護ろうとしている街さ」




25名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:42:34 ID: ID:rGE

彡(゚)(゚)「…何が言いたいんや?」

(´・ω・)「あなたにドイツ本国からこのパリの街を破壊するよう命令が出ている事は知っている それを実行に移さないでもらいたいんだ」




26名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:43:08 ID: ID:rGE

彡(゚)(゚)「黙れ黙れ! ワイは軍人や! お前がパリを護ろうとする義務があるのと同じように、ワイには軍人として命令に従う義務があるんや!」

(´・ω・)「閣下 確かにあなたたちにとってこのパリを破壊する事は義務であるだろうし、また容易い事だろうと思う」




27名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:43:41 ID: ID:rGE

(´・ω・)「けれど、このパリの街並みが一度でも破壊されたとしたら、もう一度元通りに戻すことがあなたたちに出来るというのかい?」

彡(>)(<)「ぐっ…そ、それは…」




28名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:44:22 ID: ID:rGE

(´・ω・)「聞いてくれ閣下 いつの日か、もしあなたがパリを再び訪れた時、残っているものは瓦礫の山と化した廃墟だけであるかもしれない」

(´;ω;)「けれど…けれど、あるいはこのバルコニーからパリの美しい景色を見ながらこう言える日が来るかもしれない」




30名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:44:57 ID: ID:rGE

(`;ω;)「かつてこの街を破壊することは容易かった」

(`;ω;)「しかしこの私、ディートリヒ・フォン・コルティッツ将軍は、人類への遺産としてこの街を護ることを選んだのだ、と!」




31名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:45:18 ID: ID:rGE

彡(゚)(゚)「!!」

(´;ω;)「閣下、今ならまだ間に合う。あなたはフランスの伝統と歴史ある街並みの破壊者として歴史に名を残さずにすむんだ!」

彡(゚)(゚)「ワイは…ワイは…」




33名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:46:42 ID: ID:rGE

【1944年8月25日 パリ】

彡(゚)(゚)「すでにパリ南東部は連合の手に落ちた。降伏勧告も来とるが、これは拒否した。部下には弾丸の尽きるまで戦うよう指示した」

彡(゚)(゚)「せやけど、パリ市街地の破壊命令はいまだに実行しとらん」

彡()()「…」

彡(゚)(゚)「…総統からのメールや…」




34名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:47:19 ID: ID:rGE

伍長【パリは燃えているかパリは燃えているかパリは燃えているかパリは燃えているかパリは燃えているか
    パリは燃えているかパリは燃えているかパリは燃えているかパリは燃えているかパリは燃えているか
    パリは燃えているかパリは燃えているかパリは燃えているかパリは燃えているかパリは燃えているか
パリは燃えているかパリは燃えているかパリは燃えているかパリは燃えているかパリは燃えているか
パリは燃えているかパリは燃えているかパリは燃えているかパリは燃えているかパリは燃えているか


彡()()「ヒェッ」




35名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:48:07 ID: ID:9kv

こわE




36名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:48:29 ID: ID:rGE

彡(゚)(゚)「ほ、本国から送られた砲兵や工兵はワイの命令でいつでも作戦を決行できる 爆薬も設置完了しとる」

彡(゚)(゚)「…ワイは軍人や!軍人は命令には従わなければならないんや!」

彡(゚)(゚)「せやけど」




37名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:49:10 ID: ID:rGE

彡(;)(;)「せやけど、無抵抗な一般市民を大勢巻き込む事が戦争なんか…こんなんワイが理想としとったドイツ軍人やあらへん…」

部下「閣下、既に司令部玄関にまで連合軍が乗り込んで来ております!いかがいたしましょう!」

彡(゚)(゚)「…伏や」

部下「は?」

彡(゚)(゚)「降伏や!これ以上パリを戦場には出来ん!パリを連合軍に明け渡す!参謀、その乗り込んできた連合軍の将校を呼んでくれ 降伏を伝えるんや」




39名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:50:14 ID: ID:rGE

( ^ω^)「フランス軍所属のカルシェ中尉だお!ドイツの将軍はどこだお?」
部下「案内いたします。中尉」 アンナイー

(;^ω^)「(うわー、ぼくみたいな下っ端がドイツの将軍を捕虜にすんのかお…なんかお腹痛くなってきたお…)」
部下「こちらです」

彡(゚)(゚)「…」




40名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:51:00 ID: ID:rGE

( ^ω^)「…フランス軍所属のカルシェ中尉だお!貴方が大パリ司令官のコルティッツ将軍かお?」
彡(゚)(゚)「ヤー」

( ^ω^)「それでは、将軍は私の捕虜となられましたお」
彡(゚)(゚)「ヤー」

( ^ω^)「…」
彡(゚)(゚)「…」




41名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:52:07 ID: ID:rGE

(;^ω^)「(き、緊張で何話せばいいのかわかんねーお)…し、将軍はドイツ語を話せるかお?」

彡(゚)(゚)「…」

彡(^)(^)「…貴官より、いくらか上手に話せるとおもうで(ニッコリ」

(;^ω^)「…おっおっ、それはそうでしたお…」




42名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:52:36 ID: ID:rGE

彡(゚)(゚)「(その後、ワイはフランス軍司令部に護送され、正式に連合軍に降伏した)」

彡(゚)(゚)「(道中連合軍がパリ市内を我が物顔で行軍しとったのを見かけたがが、パリの街並みは無事やった)」

彡(゚)(゚)「…」

彡(-)(-)「これでよかったんや…これで…」




43名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:53:06 ID: ID:rGE

【ディートリヒ・フォン・コルティッツ】

花の都パリの破壊命令を拒絶したことで名を遺した将軍や
ヒトラーの信任が厚かった故にパリ司令官という大任を任されたが
苦悩の末にその命令に背いたンゴ
保身に走った小心者?まぁこっちのほうがロマンがあるから(震え声)




45名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:55:15 ID: ID:rGE

【1890年 エッセン】
彡(゚)(゚)「エッセン・ブライテナウという町にすむ官吏の家庭に産まれたやで。エルトゥールル号遭難事件があった年やね」

彡()()「ワイは海軍に入りたかったんやが平民出でコネが無くてアカンかったンゴ」

彡(゚)(゚)「しゃーない。大学で法律を勉強や。せやけど軍人の夢はあきらめられないンゴねぇ」




46名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:56:05 ID: ID:rGE

彡(^)(^)「よっしゃ、なんとか士官候補生として陸軍にもぐりこめたで!所属は第111連隊や!」

彡(゚)(゚)「同期や上官は貴族出身のボンボンばっかりで平民出のワイは浮いてる気がせんでもないが、軍隊で必要なのは血筋より努力や!ワイはのし上がって見せるで」




47名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:56:45 ID: ID:rGE

彡(゚)(゚)「1914年、遂に世界大戦がはじまってもーた。ワイの部隊は西部戦線に配属や。カエル野郎どもに一泡吹かせてやるで!」

彡(゚)(゚)「…にしても冬場の戦場は堪えるンゴねぇ。最近腹の調子もおかしいし…けど軍人たるもの多少の不調など気合いで何とかするもんや」




49名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:57:10 ID: ID:rGE

-数日後-

彡(。)(゚)「ああああああああああああ!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュ!ブツチチブブブチチブリリイリブブゥゥッッッ!!!)」




50名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:58:12 ID: ID:rGE

彡(゚)(゚)「…結局病気で戦線離脱してもうた。しゃーないから参謀将校に(切り替えていく)」

彡(゚)(゚)「新たな配属先の第2プロイセン猟兵連隊はアルペン軍団所属のエリート部隊や。今まで平民出身やと馬鹿にされとったけど、そんな連中を見返すくらいの武功を挙げたるで」

彡(゚)(゚)「うぉおおおおイタリア戦線!バルカン半島!もっかい西部戦線に戻ってヴェルダンの戦い!イゾンツォの戦い!もいっちょおまけの西部戦線!」

彡(゚)(゚)「ハァ、ハァ…ど、どうや。大尉にまで昇進して、鉄十字章までゲットしたやで…ま、まぁ、結局戦争には負けてしもたけど…」




51名無しの歴史部員 2018/04/08(日)19:59:50 ID: ID:rGE

彡(゚)(゚)「戦後は軍の規模は大幅に縮小。せやけどワイはどーにか軍に籍を残すことができたで」

彡(゚)(゚)「しばらく戦争はないやろし、これからは真面目に勤務を続けることで出世を目指すしかあらへんな。コツコツ、コツコツ、と」




52名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:00:22 ID: ID:rGE

【1934年】
彡(゚)(゚)「ほーん、我がドイツでも遂に戦車が導入されるんやな。ソ連領内で研究は進めてたらしいけど、再軍備で正式に採用が決まって、ワイがその隊長の一人、と」

彡(^)(^)「なんや面白そうやな。どうせなら新設された機甲科に転属したろ」




53名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:01:07 ID: ID:rGE

【1939年】
彡(゚)(゚)「勉強してみてわかったけど、戦車ってのはなかなか奥深いもんやで。もしかしたら既存の戦術を一新させるやも…」

彡(゚)(゚)「ま、それより今は新たな辞令の事やな。今度はライプツィヒで新設された第10軍の参謀長や」

彡(゚)(゚)「ワイもすでに少将、閣下と呼ばれる人間やけど、ここの司令官に評価されればさらに上をめざせるはずや」




54名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:01:56 ID: ID:rGE

(´・ω・`)「やぁ ようこそ、第10軍司令部へ このきうりはサービスだから、まずは落ち着いて話を聞いてほしい」

彡(゚)(゚)「…は、なんやこのオッサン。おい衛兵。司令部に変なオッサンが入りこんどるからつまみ出してくれ」

衛兵「おそれながら参謀長閣下 そちらにおわす方が我らが第10軍の司令官であります」

彡(゚)(゚)「…マジで?」

衛兵「マジであります」




55名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:03:01 ID: ID:rGE

(´・ω・`)「司令官のライヒェナウだよ、よろしくね参謀長」

彡(゚)(゚)「いやいやいや、このきうり齧っとるしょぼくれたおっさんがワイの上司?」

(´・ω・`)「さっそくですまないけど僕ちょっとアドルフたんのライブにいかなきゃならないからこの書類仕事よろしくね」

彡(゚)(゚)「えっ、ちょっと待ってくれや、おい!…マ、マジで出て行ったであのおっさん…」




57名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:04:30 ID: ID:rGE

衛兵「司令官は熱心なアドルフたんのファンであります」

彡(゚)(゚)「アドルフたん?…あっ、総統閣下の事かいな。ワイは嫁さんが貴族出身やからあんまナチとはかかわりたくないんやが」

彡(゚)(゚)「ま、まぁ、どうせ長くない付き合いや。必要以上に関わらなければへーきへーき」




58名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:05:18 ID: ID:rGE

【1940年】
彡()()「そのはずやったけど、結局第二次世界大戦の開戦はこのオッサンの部下として迎えることになったンゴ」

(´・ω・`)「いやー参謀長は真面目だし仕事に抜かりがないね。いつも助かるよ」

彡(゚)(゚)「司令は適当すぎやで。いっつもきうり食べてるかアドルフたんのレコード聞いてるばっかりやん」

(´・ω・`)「参謀長、アドルフたんはいいぞ」




59名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:06:12 ID: ID:rGE

彡()()「(アカン…アドルフたんの新曲を踊らされた司令部の歓迎会のトラウマが…)」

(´・ω・`)「それに、君は軍でも有数の戦車通だからね。我が第10軍改め第6軍がスムーズに作戦を進める事が出来たのも君の戦車運用に関する知啓があっての事さ」

彡(゚)(゚)「司令官閣下は他のお偉いさんより戦車に理解がおありのようですな」

(´・ω・`)「ぼくは砲兵出身だけど、新しい物が好きだからね。グデーリアン君たちの研究は非情に興味深かったよ」

(´・ω・`)「こうして大国フランスを攻め落とす事が出来たのも、君たち機甲科の努力のたまものさ」




60名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:06:40 ID: ID:rGE

彡(゚)(゚)「(せや、我がドイツ軍は対ポーランド戦で戦車と航空機の有用性を証明。その後の西方攻勢ではフランスの要塞線を装甲部隊の迅速な突破で迂回しパリを占領)」

彡(゚)(゚)「(この戦果は間違いなく装甲部隊無くしてはありえんかった。ワイらの努力は実を結んだんや)」




61名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:07:16 ID: ID:rGE

(´・ω・`)「ああそうだ、そういえば君には新たに辞令が来ていたのを伝え忘れてたよ」

彡(゚)(゚)「ワイに辞令…こ、これは参謀本部作戦部長へ就任!?」

(´・ω・`)「おめでとう参謀長。君の前線部隊での実績に相応しい役職だ。中央でも活躍する事を期待してるよ」

彡(;)(;)「ライヒェナウ閣下…ありがとうございますンゴ。閣下の事をキモいドルオタやと誤解しとったけど、閣下に教えられた参謀としてのイロハは忘れないンゴ!」

(´・ω・`)「がんばってね。あとベルリンだと週刊アドルフたんが早売りしてるから速達で送ってね」




62名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:08:25 ID: ID:rGE

【1941年6月22日】

彡(゚)(゚)「参謀本部の総力を結集して練りに練ったソビエト侵攻作戦”バルバロッサ”が遂に実行に移されたンゴ」

彡(゚)(゚)「赤軍は大粛清から立ち直っていない。対してわが軍は対仏戦を戦い抜いた機甲部隊を有する精鋭や」

彡(^)(^)「これは負ける気せぇへん。やっぱりドイツがナンバーワン!」




63名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:09:37 ID: ID:rGE

彡(゚)(゚)「ん…北方軍集団の先鋒を任されとったマンシュタインの第56装甲軍団の進軍が止まっとるやんけ なに?補給が追いつかなくてこれ以上進めない?」

彡(゚)(゚)「北方軍集団の輸送担当者によると、一日に必要な輸送列車の運行数は34本、実際に動かせとる車両は…ファッ、18本!?全然足りへんやんけ」

彡(゚)(゚)「インフラが悪すぎるんか…と、とにかく空輸でもなんでもええから物資を送るんや。ここで進軍停止されると作戦全体に影響が…せ、せや、ほかの戦線はどうなっとるんや」




64名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:10:50 ID: ID:rGE

彡(゚)(゚)「南方はどうや。作戦開始直前に起こったバルカンの政変に手間取って、ただでさえ少ない装甲部隊が攻勢開始地点に移動できとらんかったが…」

彡()()「アカン、南方はなぜかソ連の戦車が多い上に指揮系統が比較的保たれとる…げっ、赤軍参謀総長のジューコフが派遣されとるんか」

彡(゚)(゚)「中央、中央軍集団は…よ、よし。ブレスト要塞は落とした。ソビエトの野戦部隊の包囲殲滅も完了。ここは順調に進んでるみたいやな」




65名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:11:48 ID: ID:rGE

彡(゚)(゚)「せやけどソビエトの反撃は予想以上や。野戦軍は撃滅したはずやのに、援軍が次々と湧いてきおる」

彡(゚)(゚)「お陰で予定しとった部隊の休息もままならん上に、新たな作戦目標を巡って作戦会議が紛糾しとる」




66名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:12:50 ID: ID:rGE

彡(゚)(゚)「バルト海の支配権確立に重要なレニングラード、ソ連崩壊に持ち込める可能性のあるモスクワ」

彡(゚)(゚)「そして軍事経済上の重要拠点かつキエフ周辺のソ連軍部隊の殲滅が期待できるウクライナ」

彡(゚)(゚)「総統が最終的に下した判断はウクライナの確保やった。バルバロッサの目的が敵野戦軍の撃滅である以上、間違った判断ではないはずや…」

彡(゚)(゚)「そうや、まだ巻き返せる。我がドイツ軍が敗北するはずがないんや」




67名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:13:43 ID: ID:rGE

【1941年 8月 ウクライナ】
彡(。)(゚)「ライヒェナウ閣下、ご無沙汰しておりますやで」

(´・ω・`)「やぁ、久しぶりだね。中央での活躍ぶりは耳にしているよ」




68名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:14:14 ID: ID:rGE

彡(。)(゚)「前線部隊の活躍あってこそですわ。今計画されとるキエフ包囲作戦も、閣下のお力無くしては成功は望めませんゴ」

(´・ω・`)「そう言われるとやる気になるね。ところでなんだか顔色が良くないようだけど」

彡(。)(゚)「実は第一次大戦で病気して以降、度々体調を崩すようになって…あっもうアカン」




69名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:14:41 ID: ID:rGE

彡(。)(゚)「ああああああああああああ!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュ!ブツチチブブブチチブリリイリブブゥゥッッッ!!!)」

(´・ω・`)「ええ…」

彡(。)(゚)「と、ともかく作戦はお伝えしたとおりですンゴ。御武運を祈っとりますやで…」

(´・ω・`)「お、おう…」




70名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:15:40 ID: ID:rGE

【1941年 9月】
彡(゚)(゚)「8月に実施されたキエフ包囲では、ライヒェナウ閣下も属する南方軍集団の活躍もあってソ連軍66万以上を捕虜としたンゴ」

彡(゚)(゚)「白ロシアでは28万人、スモレンスクでは31万人、ロスラウリでは5万人、ウマーニでは10万人」

彡(゚)(゚)「これだけの戦果を挙げてなお、ソ連の軍事力は衰えるどころか、さらなる反撃を実施する余裕すらある」




71名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:16:29 ID: ID:rGE

彡()()「開戦当初に参謀本部で見積もっとったソ連の兵力は200個師団。現在確認されとる範囲でのソ連の兵力は360個師団以上…」

彡(゚)(゚)「いったいどうなっとんねん!ソ連では兵士が畑で収穫できるとでもいうんか!」

彡(゚)(゚)「…いや違う、そうやない。明らかにワイらはソ連軍を過小評価しとった。連中は烏合の衆やが、その数は脅威や」

彡()()「一発逆転を目指して決行されたモスクワ攻勢・”台風”作戦も頓挫。バルバロッサ作戦は、目的を達成できず失敗に終わったンゴ…」




72名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:17:01 ID: ID:rGE

彡(゚)(゚)「えっ、ワイが大将に昇進して第6軍司令官になるんですか?」

(´・ω・`)「うん。僕がアドルフたんに推薦したんだ。僕が南方軍集団司令官に就任するから、その後任って事だね」

彡(゚)(゚)「せやけどワイには今まで前線部隊を率いた経験が殆どありませンゴ」

(´・ω・`)「大丈夫だって安心しろよ~。第6軍は南方軍集団の所属だし、しばらくは僕が後見するからさ」




73名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:17:28 ID: ID:rGE

彡(゚)(゚)「…解りましたンゴ。閣下のご期待に見事応える活躍をしてみせるやで」

(´・ω・`)「そう言ってもらえると思っていたよ。なーに、男は度胸、何でも試してみるのさ。東部戦線は寒いから体に気を付けてね」

彡(゚)(゚)「(ワイには参謀としてバルバロッサ作戦を立案した責任がある。こうなったら野戦軍の指揮官としてこの戦争を勝利に導くで)」




74名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:18:14 ID: ID:rGE

【1942年 1月】
彡(゚)(゚)「第6軍司令官として着任したで…心なしか幕僚や部下の視線が冷やかな気がするンゴ」

彡(゚)(゚)「いやいや、弱気になったらいかん。名将ライヒェナウの後任となれば舐められるのも当然や」

彡(゚)(゚)「ワイはそのライヒェナウ閣下の推薦を受けて、この名誉ある軍司令官という職を与えられたんや。必ず戦果を挙げてみせるンゴ」




75名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:18:45 ID: ID:rGE

部下「閣下。南方軍集団司令部から報告が来ております」

彡(゚)(゚)「南方軍集団?噂をすればライヒェナウ閣下か。ワイはもうベルリン勤務やないんやから週刊アドルフたんはどうしようも…」

部下「…閣下? 如何なされたのですか?」

彡()()「ライヒェナウ閣下が…亡くなられたンゴ…」




76名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:19:31 ID: ID:rGE

彡()()「閣下は司令部で突如心臓発作を起こしたそうや」

彡()()「すぐさまライプツィヒの高名なスポーツドクターの元に飛行機で運ばれたんやが、悪天候で着陸に失敗。即死されたそうや」

彡()()「閣下…参謀としてワイを育て上げてくれた上に、軍司令官にまで推薦してくれた閣下が…」




77名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:19:55 ID: ID:rGE

彡(;)(;)「」

彡(;)(;)「…戦争は、戦争はまだ終わってないンゴ。ワイは第6軍を閣下から受け継いだんや。天国の閣下に恥じない戦いをしてみせるやで」




78名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:20:15 ID: ID:rGE

【1942年 5月】
彡(゚)(゚)「要所ハリコフを巡る攻防で、ワイの指揮する第6軍はハリコフを死守。逆に突出したソ連軍を包囲することに成功した」

彡(゚)(゚)「ドイツ軍が得た捕虜は26万人。鹵獲した戦車は600両。火砲・迫撃砲は5000門」

彡(゚)(゚)「ソ連南西方面軍司令官コステンコ中将以下、多くの敵将を戦死させたンゴ」




79名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:20:37 ID: ID:rGE

彡(゚)(゚)「いける、これはいけるで! やはりソ連は数に頼るばかりで作戦遂行能力は我がドイツ軍の足元にも及ばん」

彡(゚)(゚)「そしてワイも参謀としてだけでは無く、前線指揮官として活躍できることを証明できたンゴ。ワイの力でドイツを勝利に導くんや」




80名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:21:03 ID: ID:rGE

【1942年 10月】
彡(゚)(゚)「総統の肝いりで発動した”青”作戦。B軍集団に所属するワイら第6軍に与えられた任務は軍需産業と交通の要所・スターリングラードの制圧や」

彡(゚)(゚)「もっとも、A軍集団が担当した主目標のコーカサスへの進軍は兵力と補給の不足から芳しくないそうやが…」




81名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:21:26 ID: ID:rGE

彡(゚)(゚)「既に攻勢開始からおよそひと月。どうにか市内の9割以上は制圧したが、市街戦やから味方の損害もとんでもないことになっとるンゴ」

彡(゚)(゚)「…気になる情報も入っとる。我が軍の両翼に位置するルーマニア軍の正面にソ連軍が集結中らしいンゴ。一応上層部に報告はしとるが…」

彡(゚)(゚)「お、さっそく総統からメールや」




82名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:22:03 ID: ID:rGE

伍長【第6軍司令官へ

    スターリングラードでのお仕事大変だったねヾ(・ω・ ) ナデナテ

    第6軍のみんながお疲れなのはしってるけど、きっとソ連も同じくらい疲れてるはずだよね(??д??)

    今みんなで頑張ればきっと勝てるよ(∩`ω´)⊃)) しゅっしゅっ
   
だから急いでスターリングラード制圧しちゃってね 報告まってまーす(*´∀`*)】




83名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:22:24 ID: ID:rGE

彡(゚)(゚)「あっ(察し…)。これは援軍は来ないやろなぁ」

彡(゚)(゚)「まま、ええわ。すでにソ連は虫の息や。このまま一息で押しつぶしたるんや!」




84名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:22:47 ID: ID:rGE

【1942年 11月19日】
彡(゚)(゚)「何?左翼のルーマニア軍にソ連の反撃?規模は…大したこと無さそうやんけ。後方にはドイツの第48装甲軍団が控えとるしへーきへーき」

【1942年 11月20日】
彡(゚)(゚)「今度は右翼のルーマニア軍にもソ連が攻めて来とるやと? …情報が断片的で要領を得んから迂闊に部隊を動かせへんな…とりあえず放置で」




85名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:23:25 ID: ID:rGE

【1942年 11月21日】
彡(゚)(゚)「あー忙しい忙しい。司令部移転の準備で報告書を読む暇もないわ…B軍集団司令部から戦況の問い合わせ?とりあえず問題ないって打電しといてや」

部下「閣下、大変です!前線よりこのような報告が…」

彡(゚)(゚)「あん。何やねんこの忙しい時に…なっ、北部のルーマニア第3軍がソ連の攻撃で壊滅!? んなアホな!」

彡(゚)(゚)「こ、後方におった第48装甲軍団はどうしたんや…車体内部の電線のゴム被膜がネズミに齧られ大半が走行不可能…ファーwwww」




86名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:24:15 ID: ID:rGE

【1942年 11月22日】
部下「閣下!南部のルーマニア第4軍もソ連軍の猛攻により潰走した模様です!」

彡(゚)(゚)「ななな、一体何がどうなっとんのや」

彡(゚)(゚)「まさかソ連の反撃作戦…ええい、B軍集団司令部にもっかい打電や」

彡(゚)(゚)「我が軍はとりあえず現状を死守。ただし防衛戦構築が失敗した場合には退却の許可を求むやで!」

彡(゚)(゚)「くそっくそっ、手持ちの戦車部隊は市街戦での消耗でとても反撃には使えん!」

彡(゚)(゚)「今にして思えばルーマニア軍正面のソ連軍部隊はこの反撃の為に集められてた予備兵力やったんか」

彡(゚)(゚)「!? 総統からメールや!」




87名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:24:59 ID: ID:rGE

伍長【第6軍司令官へ
   
    スターリングラードは取られちゃだめだよ~( ?ω? )

    直ぐに代わりの人達を送るから、それまで待っててね(*´∀`*)
    
    勝手に動いたりしたら めっ! だぞ☆】


彡()()「」




88名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:26:03 ID: ID:rGE

【1942年 11月23日】
部下「閣下、我が軍の後方で南北両方面から進軍していたソ連軍が合流を果たした模様です…我が軍は、完全に包囲されました」

彡()()「総統に…総統に、もう一度我が軍の現状をお伝えするんや」




89名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:26:42 ID: ID:rGE

彡()()【二十二日にご命令を拝受した後、状況は大きく変化いたしました。手持ちの砲弾を打ち尽くした砲兵も少なくありません】

彡()()【陸路での補給が不可能となった現在、スターリングラードの全兵力を持って南西に差し向けない限り、我が軍が生き残る事は不可能でしょう】

彡()()【その場合、装備の大半を失う事にはなりますが、貴重な人命の多くを救うことになるはずです】




90名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:27:06 ID: ID:rGE

彡()()【この報告の責任は私にありますが、配下の軍団長も賛同しています】

彡()()【どうか現状をご理解いただいた上、行動の自由を軍に与えてくださるようお願いいたします】

彡(゚)(゚)「頼む、頼む頼む頼むっ!どうか退却を認めてクレメンス…」




91名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:27:54 ID: ID:rGE

伍長【第6軍司令官へ

   ドン川の西に残ってる部隊を集めて、いまの地点を絶対に守ってね(=ω=.)

   食べ物や燃料は飛行機で送るから心配しないでね!】

彡(゚)(゚)「空輸…第6軍以下26万人の将兵に必要な物資輸送を…この厳冬期に…空輸…」

彡(。)(゚)「ああああああああああああ!!!!!(ブリブリブリブリュリュリュリュ!ブツチチブブブチチブリリイリブブゥゥッッッ!!!)」




92名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:28:43 ID: ID:rGE

【1942年 11月24日】
( ^ω^)「おっおっおっ。セワストポリ要塞攻略の戦功で元帥に昇進したマンシュタインだお。スターリングラードの危機を救うべくドン軍集団司令官に任命されたお」

( ^ω^)「第6軍はドン川の部隊を収容して防衛線を構築したみたいだお。まずは第6軍との連絡路を開くんだお!」




93名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:29:25 ID: ID:rGE

( ^ω^)「それから、第6軍司令官には僕が計画した包囲突破の作戦案を事前に送付するんだお」

( ^ω^)「スターリングラードを維持しつつ包囲の南に前線を拡張。救出軍と合流を図るんだお。名付けて、”冬の嵐(ウィンテル・ゲウィッター)”作戦!」

( ^ω^)「攻勢の主力は長砲身のⅣ号戦車160両を有する第6装甲師団を中心とした第57装甲軍団。攻勢開始は12月12日だお!」




94名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:30:12 ID: ID:rGE

【1942年 12月19日】
(;^ω^)「ぐぬぬぬぬ、思ったよりソ連の抵抗が激しいお。おまけにソ連の再攻勢が実施されたお。これ以上は余裕が無いお」

( ^ω^)「第6軍司令部に伝達!直ちに”冬の嵐”作戦を実行に移すんだお!」

( ^ω^)「第57装甲軍団は既に包囲網の南方約50キロ地点に到達してるお。作戦開始のタイミングとしては悪くないはずだお」




95名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:30:57 ID: ID:rGE

【同日 第6軍司令部】
彡(゚)(゚)「はぁ?マンシュタイン元帥は何を言ってるんや!」

彡(゚)(゚)「第6軍の戦力と物資の貯蔵量じゃ、スターリングラードの保持が前提の冬の嵐作戦は実行不可能や」

彡(゚)(゚)「実行に移すとしたら、スターリングラードを放棄して全軍で南西に脱出する”雷鳴(ドンネルシュラーク)”作戦と組み合わせるべきと元帥に伝えるんや」




96名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:31:46 ID: ID:rGE

【1942年 12月23日】
(;^ω^)「そんなことは承知だお!こっちもアドルフたんにスターリングラードの放棄を促してるけど、ウンと言ってもらえないんだお!」

( ^ω^)「(アドルフたんの説得にこれ以上の時間はかけられないお。こうなれば、第6軍司令官が独断で作戦を決行することを期待するしかないお)」

( ^ω^)「もう一度、第6軍司令部に繋ぐんだお…”第6軍司令官は”雷鳴作戦を今すぐ実行に移す事が可能かお?」




97名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:32:55 ID: ID:rGE

【同日 第6軍司令部】
彡(゚)(゚)「(マンシュタイン元帥はワイに独断での作戦決行を暗に促しとる…)」

彡()()「(せやけどここ数日の激戦で、既に第57装甲軍団の位置まで軍を動かすには物資の備蓄がギリギリや)」

彡()()「(もし物資不足で脱出作戦にしくじった挙句、ワイら第6軍が壊滅でもしたら)」

彡()()「(青作戦の失敗でコーカサスから退却中のA軍集団の退路が断たれるンゴ)」

彡(゚)(゚)「…マンシュタイン元帥に伝えるんや。現状では脱出作戦の実行は不可能や、と」




98名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:33:38 ID: ID:rGE

【1942年 12月24日】
(;^ω^)「第57装甲軍団の攻撃はソ連の援軍とぶつかって完全にストップしてしまったお…」

( ^ω^)「第6軍が動かない以上、これ以上の進軍は無意味だお。救出作戦は…失敗だお」





99名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:34:16 ID: ID:rGE

【1943年 1月30日】
彡(゚)(゚)「マンシュタイン元帥の救出作戦が失敗した以上、第6軍の取るべき道は二つやった」

彡(゚)(゚)「新たな救出作戦が実行されるまで持ちこたえるか、ソ連軍の攻撃で全滅するかや」

彡(゚)(゚)「1月8日には正式にソ連軍からの降伏勧告が行われたが、ワイは黙殺した」




100名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:34:58 ID: ID:rGE

彡(゚)(゚)「その翌々日からソ連の殲滅作戦が実施されると、包囲環は少しずつ空気が抜ける風船のように小さくなっていった」

彡(゚)(゚)「市内の飛行場が陥落すると、物資の補給状態は壊滅的なまでに悪化した」

彡(゚)(゚)「食料も弾薬も燃料も尽きて、零下35度の雪原を彷徨った将兵は次々と凍死した」

彡(゚)(゚)「………」




101名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:35:36 ID: ID:rGE

彡(゚)(゚)「…ああ、今となってはどうでもいい事やけど、ワイは本日付で元帥に昇進したんや」

彡(゚)(゚)「あのライヒェナウ閣下と同じ、軍のトップに上り詰めることができたんやで」

伍長【第6軍司令官へ

   本日はうれしいお知らせがありまーす\(^o^)/

   なんとー… 司令官は今日から元帥となるのでした(= ̄▽ ̄=)V やったね!
   
   ち・な・み・に、ドイツの元帥さんは敵に降伏した事が無いんだって スゴィ...(゚Д゚ノ)ノ

   きっと、これからも降伏する元帥さんなんていないんだろうなー (・ _ ・)】




102名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:36:38 ID: ID:rGE

彡(゚)(゚)「…はは、元帥は降伏しない、か」

彡(゚)(゚)「ワイがソ連からの降伏勧告を黙殺したのは、まだ戦う力が残ってたからと、友軍が退却する時間を稼ぐためや」

彡(゚)(゚)「我が軍は十分に使命を果たした」

彡(゚)(゚)「これ以上第6軍を…ライヒェナウ閣下と共に戦った兵たちを無駄死にさせるわけにはいかないンゴ」




103名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:37:27 ID: ID:rGE

彡(゚)(゚)「白旗を準備するんや。第6軍はソビエトに降伏するンゴ」

彡(゚)(゚)「元帥は降伏したことが無い? 降伏するなとは言われてないからへーきへーき」

彡(゚)(゚)「…ライヒェナウ閣下、許してクレメンス」

彡(;)(;)「ワイは…ワイは結局最後まで閣下の期待に応える事が出来んかったンゴ」




104名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:38:09 ID: ID:rGE

( ^ω^)「…もし第6軍が1月初頭に降伏していたら」

( ^ω^)「コーカサスから脱出の途上にあったA軍集団の背後は断たれていたお」

( ^ω^)「第6軍司令官、フリードリヒ・パウルス元帥とその将兵は間違いなく自身の義務を果たしたんだお」

( ^ω^)「ともあれ、スターリングラードの戦いは、第6軍21個師団の壊滅を持ってして幕を下ろしたんだお」

( ^ω^)「そして恐らく、極寒の捕虜収容所で最後の時を迎えたドイツ将兵達に、僕の感謝の念が届くことはなかったお…」




105名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:39:07 ID: ID:rGE

【フリードリヒ・パウルス】
生真面目な参謀将校やったが、野戦指揮官には不向きだったかもしれないンゴねぇ
ソ連への降伏後の振る舞いは…お察しください




106名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:41:23 ID: ID:rGE

おしまいやでー
総統の命令を実施するか否かは将軍次第なんやなって




107名無しの歴史部員 2018/04/08(日)20:41:45 ID: ID:m8g

お疲れやでー
ワクワクしながら読めたわ




引用元:彡(゚)(゚)「総統の命令は絶対や!」